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2011年02月04日
映画 《 ディパーテッド 》

監督:マーティン・スコセッシ/出演:レオナルド・ディカプリオ、マット・デイモン、ジャック・ニコルソン 他。

警察に潜入したマフィアと、マフィアに潜入した覆面捜査官、危険と背中合わせの過酷な世界で二重生活を続ける二人の男の人生が交錯し、物語は複雑に絡み合ってジリジリと焼き付くような緊張感で描いている。大ヒット香港映画『インファナル・アフェア』をハリウッドでリメイクした作品である。原題の『The Departed』 とは『去りし者』の意味。R-15指定作品。本作でレオナルド・ディカプリオとマーティン・スコセッシは3度目のタッグを組んだ事となった。ビリー・コスティガンを演じたレオナルド・ディカプリオは、ニューズウィーク誌に「この役でディカプリオの新たな時代が到来した」と絶賛された。

本作は、それぞれの任務を遂行するために互いの組織への潜入を試みるというストーリーはオリジナルにほぼ忠実であるが、物語の舞台となるアメリカ合衆国の独自色を強めることを目的としてアイリッシュ・マフィアやFBIが登場している。オリジナルは香港の闇社会と仏教観念を題材にしているのに対して本作は、本家の“暗黒街”のモチーフを保ちつつボストンを舞台にニューヨークという土地に根付いた話に造り替えられている。FBIと警察との対立を描きつつも、アイルランド系アメリカ人が抱える人種問題にもスポットを当てた。

本作によって「無冠の名監督」と呼ばれていた監督のマーティン・スコセッシがアカデミー監督賞を受賞した。劇中、fuckなど下品な言葉の使用回数は『パルプ・フィクション』の271回を更新しなかったものの、237回とかなり多めである。当初ヒロイン役には、すでに名の知れたケイト・ウィンスレットとヒラリー・スワンクが候補に挙げられていたが、スコセッシ監督はまだ無名だったヴェラ・ファミーガを起用した。ブラッド・ピットがビリー・コスティガン役を演じる予定だったが、設定年齢とブラッド・ピットとの年齢差がありすぎることを理由に、辞退した。しかし、製作という形で本作に携わっている。


貧困と犯罪が渦巻く都市ボストン。犯罪者の一族に生まれ、自らの生い立ちと訣別するために警察官を志したビリー・コスティガン(レオナルド・ディカプリオ)。ボストン南部一帯を牛耳るマフィアのボス、コステロ(ジャック・ニコルソン)に育てられ、“内通者”として警察に送り込まれたコリン・サリバン(マット・デイモン)。同じ警察学校に学び優秀な成績を収めた二人は、お互いの存在を知らないまま、それぞれの道を歩き出す。
コリンが配属されたのは、エラービー警部率いるエリート集団「SIU」。マフィア撲滅の最前線に立ち、有能な警察官を装いながら警察の動きをコステロに逐一知らせるコリン。一方、ビリーに命じられたのはマフィアへの極秘潜入捜査だった。その任務を知る者は、クイーナン警部(マーティン・シーン)とディグナム刑事(マーク・ウォールバーグ)のみ。

コステロのもとへ身を寄せたビリーは危険と背中合わせの日々で、カウンセリングで出会った精神科医のマドリンといる時だけ、心が安らぐ。しかし彼女は、コリンの恋人だった。やがてマフィアと警察の双方でスパイ探しが始まり、二人は次第に窮地に追いつめられる。クイーナン警部がコステロの部下に殺され、遺された携帯電話からコリンはビリーに接触。
協力してコステロ一味を壊滅するが、ビリーはコリンこそがマフィアの内通者であったことを知る。自分の正体がビリーにばれたことを悟ったコリンは、警察のコンピュータからビリーのデータを抹消。だがビリーは、コステロがコリンとの会話を録音していたCDを使ってコリンを呼び出し、自分の身分を回復するよう迫る……。
≪キネマ旬報より抜粋≫
予告編
アイム・シッピング・アップ・トゥ・ボストン - Dropkick Murphys
原題:The Departed
製作年:2006年
公開年:2007年
製作国:アメリカ
配給:ワーナー・ブラザース
上映時間:152分
映倫:R-15

レオナルド・ディカプリオ、マット・デイモン、ジャック・ニコルソン、マーク・ウォールバーグ、マーティン・シーン、レイ・ウィンストン、ヴェラ・ファーミガ、アレック・ボールドウィン、アンソニー・アンダーソン、ケヴィン・コリガン、ジェームズ・バッジ・デール、デヴィッド・パトリック・オハラ、マーク・ロルストン、ロバート・ウォールバーグ、クリステン・ダルトン、J・C・マッケンジー

監督:マーティン・スコセッシ
製作総指揮:G・マック・ブラウン、ダグ・デイヴィソン、クリスティン・ホーン、ロイ・リー、ジャンニ・ヌナリ
製作:マーティン・スコセッシ、ブラッド・ピット、ブラッド・グレイ、グレアム・キング
脚本:ウィリアム・モナハン
オリジナル脚本:アラン・マック、フェリックス・チョン
撮影:ミヒャエル・バルハウス
プロダクションデザイン:クリスティ・ズィー
衣装デザイン:サンディ・パウエル
編集:セルマ・スクーンメイカー
音楽:ハワード・ショア
美術:クリスティー・ジー

第79回アカデミー賞:作品賞/監督賞(マーティン・スコセッシ)/脚色賞(ウィリアム・モナハン)/編集賞(セルマ・スクーンメイカー)
第41回全米映画批評家協会賞:助演男優賞(マーク・ウォールバーグ)
第73回ニューヨーク映画批評家協会賞:監督賞(マーティン・スコセッシ)
第64回ゴールデン・グローブ賞:監督賞(マーティン・スコセッシ)
第12回放送映画批評家協会賞:作品賞/監督賞(マーティン・スコセッシ)
第16回MTVムービー・アワード:悪役賞(ジャック・ニコルソン)
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カテゴリー: [アメリカ映画 犯罪]
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