映画 《 荒野の七人 》

荒野の七人
 1961年に日本公開のアメリカ映画。毎年、野盗に襲われるメキシコの寒村イストラカン。そこで村の長老は助っ人を雇うことを決意する。わずかな報酬にすぎなかったが、農民達の熱意に打たれて7人のガンマンが集まってきた。着々と進む戦いへの準備!思わぬ農民たちの抵抗により、いったんは逃げ帰った一味だったが・・・。日本映画『七人の侍』のリメイク映画。

 監督:ジョン・スタージェス/出演:ユル・ブリンナー、スティーヴ・マックィーン、チャールズ・ブロンソン 他。


星解説
 黒澤明監督の日本映画『七人の侍』(1954年)の舞台をアメリカに移して描いたリメイクした西部劇大作の傑作。目にも止まらぬ早業ガンプレイの数々やダイナミックな戦闘シーン、シネスコ画面を見事に活かした構図の美しさ、そしてエルマー・バーンスタインの血沸き肉躍る音楽の素晴らしさ。

 本家が時代劇の頂点なら、こちらもまた西部劇のトップクラスに位置するおもしろさを誇る名作中の名作となった。後に『続・荒野の七人』などの続編が制作された。

 ユル・ブリンナーが『七人の侍』に感銘を受け製作したオマージュ色の強い作品のため、大まかなあらすじ・登場人物の設定・台詞などの多くが忠実に再現されている。但し、ロケ地や多数のキャストを使ったメキシコに配慮して、初めから用心棒を雇うのではなく銃を購入するという村人の自主性を尊重したり、衣装の汚れがみすぼらしく映るのを避けるために敢えて衣装の汚れはなくすなどの工夫・変更点が見られる。

 エルマー・バーンスタインが書き上げたテーマ曲は、その後TV番組において「西部劇」または「アメリカ西部の広大な自然」をイメージさせるBGMとして多用されているため、世界中における知名度が高い。にもかかわらず、オリジナルのサウンドトラック版が初めて市販されたのは映画公開後28年、1998年になってからである。

荒野の七人


星あらすじ
 メキシコの寒村イスカトランの村人達は毎年収穫期になると恐怖におののいていた。毎年刈り入れの時期になると、カルヴェラ(イーライ・ウォラック)率いる盗賊に作物を奪われ、生活が追いやられていた。ヒラリオ(ヨルグ・マルティネス・デ・ホヨス)と2人の農夫は皆を代表して戦うことを決議、銃を買いに国境のアメリカの町にやって来た。

 彼らが町に着いた時に騒ぎが起きていた。だが、クリス(ユル・ブリンナー)とヴィン(スティーブ・マックイーン)は鮮やかにこの騒動を片づけてしまった。ヒラリオ達はこの有様を見てクリスに理由を話して力になってもらうことにし、同意したクリスは腕の立つガンマンを探し始めた。結局、7人の男たちが仲間になった。

荒野の七人

 7人のガンマンを迎えて村は一変し、防壁を築いたり銃の使い方を教えたり、7人の男達と村人の間には奇妙な友情が生まれていった。
凄惨な拳銃戦が展開され、死傷者も出たが、野盗は撃退された。村の雑貨商ソテロ(リコ・アラコス)は臆病者で戦いにまき込まれるのを恐れていた。

 クリスはこの機を逃さず一味を全滅させようと深夜野盗のキャンプを襲ったが、誰もいなかった。ソテロの裏切りでカルヴェラは7人の逆をついて村を占領していたのだ。7人は村を追い払われたが、クリスはもう一度村へ引返し戦うことを皆に告げた・・・。


原題:The Magnificent Seven
公開:1960年(アメリカ)、1961年(日本)
製作国:アメリカ
配給:ユナイテッド・アーティスツ
上映時間:128分



トレーラー1


トレーラー2


テーマ曲


星ひと口コメント
西部劇のなかでも不朽の名作です。それにしてもマックイーンが、かっこよすぎます。


星キャスト
ユル・ブリンナー、スティーブ・マックイーン、ホルスト・ブッフホルツ、チャールズ・ブロンソン、ジェームズ・コバーン、ブラッド・デクスター、ロバート・ヴォーン、イーライ・ウォラック、ロゼンダ・モンテロス、ジョン・アロンゾ、ウラジミール・ソコロフ、ヨルグ・マルティネス・デ・ホヨス、リコ・アラコス、ビング・ラッセル


星スタッフ
監督・製作:ジョン・スタージェス
製作総指揮:ウォルター・ミリッシュ
原作:黒澤明、橋本忍、小国英雄(映画「七人の侍」より)
脚本:ウィリアム・ロバーツ、ウォルター・ニューマン(ノンクレジット)、ウォルター・バーンスタイン(ノンクレジット)
音楽:エルマー・バーンスタイン
撮影:チャールス・ラング
美術:エドワード・フィッツジェラルド
編集:フェリス・ウェブスター
音響効果:ジャック・ソロモン
共同プロデューサー:ルー・モーハイム


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ユル・ブリンナースティーブ・マックイーン

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コメント

参謀ヴィン

公開当時とリバイバル時とポスターが随分違います。
後者はマックィーンが主役扱いです。

DVDで見ました。マックィーンが目立つ演技をすると、我儘な王様ユル・ブリンナーが「今度そんな事をしたら、お前を役から降ろすぞ!」と怒ったとか。「七人の侍」から映画化する権利を買い取ったのはブリンナーですから無理もないですね。
しかし、結果的にはこの映画をきっかけにマックィーン、コバーン、ブロンソンが大スターになりました。そうなる事をブリンナーは予測して辛く当ったのではないかと言う人もいます。いずれにせよ、彼らは大スターになる資質を持っていたんでしょう。
続編ではヴィン役はロバート・フラーに変わりました。彼には失礼ですが、第一作でマックィーンが見せた格好良さには程遠いです。良い役者さんですが。

> 間諜X72 様

コメントありがとうございます。

>公開当時とリバイバル時とポスターが随分違います。
後者はマックィーンが主役扱いです。

リバイバルの時には、マックイーンの人気が上回ったからでしょうね。

>マックィーンが目立つ演技をすると、我儘な王様ユル・ブリンナーが「今度そんな事をしたら、お前を役から降ろすぞ!」と怒ったとか。

当時のユル・ブリンナーは、大スターでマックイーンより事実上、格も上でしたから仕方が無いことでしょうね。

>この映画をきっかけにマックィーン、コバーン、ブロンソンが大スターになりました。

そう考えてみれば、彼らからしてみればこの作品に深く携わった「ユル・ブリンナー」のお陰と言っても過言ではないでしょうね。

>第一作でマックィーンが見せた格好良さには程遠いです。

続編の難しさと言うこともあるのでしょう。
そうだとしても、どの俳優さんでもマックイーンと比べると格好良さでは、勝てないでしょうね(笑)。
私的感想で失礼しました。

それでは、またのご訪問をお待ちしております。

昨夜

昨日BSハイビジョンで「荒野の七人」を放映していましたね。
やっぱり、第2・3・4作とは格が違います!
役者も映画そのものも。
マックィーン。
馬に乗ってる場面だけ見てもかっこいいです。
DVDと日本語訳が違うのも楽しめました。
日本語訳にも著作権があって、ちょっとイメージが違う訳になってしまう事もあるんですよね?

間諜X72さんへ

コメントありがとうございます。
私も観ましたが、やっぱり第1作は、良いですね!

> 馬に乗ってる場面だけ見てもかっこいいです。
そうですよね。

> 日本語訳にも著作権があって、ちょっとイメージが違う訳になってしまう事もあるんですよね?
イメージと違う訳になってしまうのは、困った事ですね。

それでは、またのご訪問をお待ちしております。

ハリー

僕が「荒野の七人」の中で一番好きなキャラは、意外な事にハリー(ブラッド・デクスター)なんですよ。
クリスが村を助ける目的は金。最後まで信じていたハリー。死ぬ時も「俺の分け前は?」とクリスに聞いて「来て良かった・・・・・。」と満足そうな顔をして死ぬハリー。自分に正直に生きていて、いいですねー!
ハリーを演じたブラッド・デクスターは私生活でも中々派手でした。大学時代はフットボールの名プレイヤー。「荒野の七人」の中でクリスの両肩を叩く場面はユル・ブリンナーがひ弱に見えるほどです。
そして役者になった後はプロデューサー業に興味を示す。美人女優と浮名を流したり、豪邸に住んだりしながら、長生きする。
また、「荒野の七人」の撮影の合間にポーカーを楽しむ七人。我儘大王ユル・ブリンナーがまたあれこれ言う。そこで親分肌のブラッド・デクスターが宥めたと言う逸話も残っています(某サイトに書いてありました)。
いずれにせよ、「荒野の七人」は大スターが集まった傑作である事は否定できませんね!
もちろん大ヒットに貢献したのはスティーヴ・マックィーンです。大王ユル・ブリンナーが、マックィーンを降板させなくて良かったです。降板させていたら、ショボい映画になっていたかも知れません。
マックロウさんがスティーヴ・マックィーンに憧れたきっかけを教えて頂けますか?

間諜X72さんへ

コメントありがとうございます。
間諜X72さんは、一番好きなキャラが「ハリー」なのですね。
愛すべきキャラですね。私はやっぱり、ヴィンです!
ブラッド・デクスターのいろいろな逸話をありがとうございます。
「荒野の七人」は、「七人の侍」を上手く西部劇にリメイクした傑作ですね。
スティーヴ・マックィーンを敬愛するようになったきっかけは、
いろいろありますが、手短に書きますと『大脱走』の彼の「瞳」と「仕草」に惹かれたのがきっかけです。
その後、彼の多くの作品を観て、経歴も調べていくうちに敬愛するようになりました。
それでは、またのご訪問をお待ちしております。

ご無沙汰しております。

BSから録画した「栄光のル・マン」。久しぶりに見ました。
すごくかっこ良かったです。
マックロウさんはご覧になりましたか?

間諜X72さん、お久しぶりです。

コメントありがとうございます。
「栄光のル・マン」私もBSで久しぶりに観ました。
凄くかっこ良かったですね。
ファンの観方かもしれませんが、マックイーンのどんな仕草もかっこいいんですよね。

ご訪問ありがとうございました。

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Author:マックロウ [日本人]
 映画が大好きで堪らない夢想家です。映画は、喜んだり、怒ったり、哀しんだり、楽しんだり、『喜怒哀楽』で人にもたらしてくれます。その他にも色々な感情を人にもたらしてくれます。そんな映画が大好きです。

 俳優スティーブ・マックイーン(Steve McQueen)を敬愛しております。

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